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相内 更子; 安 隆己; 菅沼 隆; 田中 康正
PNC TN8410 97-107, 53 Pages, 1997/05
再処理の溶解工程にて発生する不溶解性残渣物及び高レベル放射性廃液を安定化するガラス固化体等、固体試料中に含まれる元素を分析するには試料の溶液化が不可欠である。今回、密閉容器を用いるマイクロ波加熱酸溶解法(以下、マイクロ波加熱法と記す)の再処理関連分析への応用検討を目的として、模擬ガラス固化体の前処理及び分析を行い、従来の酸溶解分析との比較・検討を実施した。得られた結果は以下の通りである。(1)マイクロ波加熱法において模擬ガラス固化体試料の完全溶解に要する最短時間は7分であり、従来法の2時間と比較して約1/20の時間短縮が可能となった。(2)マイクロ波加熱法で溶解に要する最少の混酸量は、従来法の約1/2に低減できた。(3)塩酸で処理すると揮発性物質となるCr2O3は表示値通りの分析値が得られ、密閉容器による揮発抑制効果が確認できた。(4)従来法とマイクロ波加熱法での分析値の再現性を比較したところ、後者の変動係数の方が1.21.7倍優れていた。(5)白金族を含む模擬ガラス固化体試料は、RuO2及びZrO2を除き、決定した混酸量・溶解時間で高い溶解率が得られた。(6)白金族を含む模擬ガラス固化体試料のZrO2は、溶解時間と添加する混酸量を増やすことにより、完全に溶解できた。一方、RuO2の最大溶解率は12%程度と低値を示した。
田辺 哲朗*
PNC TJ1605 91-002, 22 Pages, 1991/03
本研究は、使用済み燃料から酸化揮発し易いRu,Moを選択的に分離回収するための技術を研究開発することを目的とし、これに係わる文献調査及び基礎実験を行なうものである。 本年度は、特に空気中並びに酸素プラズマ中でのMo及びRu単体あるいはMo-Ru合金の酸化挙動について基礎的実験を行ない、酸化蒸発法の応用法について次のような成果を得た。1) 空気中1000の酸化によりMo、Ru両者ともに酸化される。この際MoはMoO3として酸化蒸発するがRuはRuO2として固相に残される。このため両者の分離そのものは可能であるが、RuをRuO4として蒸発させることは出来ない。2) 空気中500での酸化ではMoは酸化されMoO3となるが蒸気圧が十分高くないので揮発回収することは出来ない。Ruは殆ど酸化されなかった。3) 酸素プラズマ中での酸化によりMoは室温でもMoO3にまで容易に酸化される。Ruもわずかに酸化されている兆候が見いだされたが、定量的に評価するには至っていない。
桜井 勉; 日夏 幸雄; 高橋 昭; 藤沢 銀治
J.Phys.Chem., 89(10), p.1892 - 1896, 1985/00
再処理プロセスで複雑な挙動を示すルテニウムは、気相には四酸化ルテニウム(RuO)として現われる。PuOに接触すると、多くの物質は黒い析出物で覆われる。従来、この現象は不安定はRuOが固体表面で分解し、黒色の二酸化ルテニウム(RuO)が生成するため、と考えられていた。しかし、X線回折、ESCA等を用いて詳細に検討した結果、分解ではなく、RuOが特殊な構造をとって吸着する現象である、との結論に達した。
桜井 勉; 高橋 昭; 藤沢 銀治
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(1), p.81 - 83, 1983/00
被引用回数:4 パーセンタイル:62.82(Nuclear Science & Technology)再処理工程で複雑な挙動を示すルテニウムは、気相では四酸化ルテニウム(RuO)として存在し、装置のあらゆる表面に析出してこれらを汚染する。従来、これは不安定なRuOがRuOに分解する現象と考えられていた。しかし、筆者らは代表的な装置構成材料であるステンレスとRuOの相互作用を、ESCA,X-線回折、質量分析、及び化学分析を併用して究明した結果、上記現象はRuOの分解ではなくRuO自身の吸着であることを確認した。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 41(5), p.681 - 685, 1979/00
被引用回数:11加水分解とそれに引き続く室温でのフッ素処理により、RuOF, RuFおよびRuFを、100%、RuOに変換、揮発させ得ることがわかった。これは加水分解性生物中の結晶水および水酸基が、室温でのフッ素処理により脱水素反応を起すためである。このプロセスは、回収したPuFの精製(=ルテニウムの除去)に応用できる。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(8), p.633 - 634, 1978/08
被引用回数:0フッ化物揮発法により回収された四フッ化プルトニウム(PuF)は、ルテニウムで汚染されていることが多い。このルテニウムの除去に、室温での「加水分解-フッ素処理」操作を試みた。回収したPuFに水を含んだヘリウムガスを供給、次に室温でフッ素ガスを作用させると、大部分のルテニウムがRuOとなって揮発し、PuFから分離する。一方、プルトニウムの損失は認められなかった。これより、本操作がPuFの精製にに有効なことがわかった。
桜井 勉; 高橋 昭
J.Phys.Chem., 82(7), p.780 - 784, 1978/07
四フッ化酸化ルテニウム(RuOF)は不安定な物質で、室温でもその酸素を放出して分解する。この熱分解は70C付近でもっとも起こりやすく、このため蒸気圧は70Cを超えると減少する。これらの性質は文献に記載されている性質と異なる。測定した赤外吸収スペクトルをもとに、このものの不安定な原因を論じた。
桜井 勉; 高橋 昭
Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry, 39(3), p.427 - 429, 1977/03
被引用回数:16二酸化ルテニウム(RuO)とフッ素の反応生成物は、これまで、五フッ化ルテニウム(RuF)であろうと言われてきたが、本実験では、質量分析の結果、生成物はRuFではなく酸化フッ化ルテニウム(RuOF)であるこをと確認した。RuFはかなり不安定な物質であり、酸素を放出して四フッ化ルテニウム(RuF)に変化する。
桜井 勉; 高橋 昭; 古牧 睦英
Journal of Nuclear Science and Technology, 11(2), p.74 - 76, 1974/02
被引用回数:3ルテニウム103を用い、酸化プルトニウム-酸化ルテニウム混合物のフッ素化および六フッ化プルトニウムの熱分解プロセス中のルテニウムの挙動を調べた。ルテニウムはプルトニウムより低温でフッ素化され、揮発する。熱分解によるプルトニウムの回収では、ルテニウムが共存すると著しく回収率が低下する。回収されたPuFはルテニウムで汚染されてる。
永井 崇之; 捧 賢一; 佐藤 修彰*
no journal, ,
高レベル放射性廃液のガラス固化プロセスにおいて、ガラス溶融炉の底部に沈降堆積するRuO結晶等の白金族化合物が、安定な処理運転の阻害一因と考えられる。RuO結晶の生成は、廃液中のNaとRu成分からルテニウム酸ナトリウムが生成し、その後RuO結晶に成長すると想定されている。本研究は、東北大学多元物質科学研究所との共同研究として、当該プロセスにおけるRu化合物の化学形態の把握を目的に実施しており、本報では得られた成果を紹介する。